JOURNAL · 書家に聞く
書道家になるには ——書で生きるということ
「書道家」に免許は要りません。やりたいと思えば、いつでも始められます。ただし人に教えるには、自分も学び続けなければならない——そこだけは欠かせません。
「書道家になるには」まず何から始めるべきだと思いますか。
「書道家」の定義自体が難しいものです。伊藤先生が大学の授業で「書家になるにはどうしたらいい?」と皆に問いかけたとき、ある学生が「日展に入ることです」と答えたら、「バカモン、自分が書家だと名乗ればいいんだ」と言われた——それを今でも覚えています。医師のように免許が要るわけではないので、やりたいと思えばいつでも始められる。今はSNSで発信する子どもや若い人もたくさんいるので、こだわりすぎる必要はありません。ただし人に教えるには、自分も学び続けなければならない。そこだけは欠かせません。
書道家として生計を立てるには、どんな道がありますか。
シビアな質問ですが、書道で飯を食うのは今の時代なかなか厳しい。私自身も、教えてきた若い学生たちもそうでした。一つは、書道の教員になって学校に勤める道。それ以外は、自分が得たものを人に教える「レッスンのプロ」になること。画家や彫刻家、陶芸家のように自分の作品を売って生計を立てるのは、今の時代なかなか難しい。かつては筆耕(宛名書きや熨斗袋書きなど)の仕事もありましたが、パソコンの時代でそれも減りつつあります。書道で食べていくのは、本当に厳しいです。